おしらせ

未来へのメッセージ コスギ不動産社長・小杉康之氏(S30回卒)

[2016-10-27]

敬天愛人

九州学院105年・未来へのメッセージ まずは小さな夢から

コスギ不動産社長・小杉康之さん /熊本

毎日新聞2016年9月25日 地方版

<管理している住宅の多くが地震で被災した>

入居者全員に退去してもらわねばならなくなったマンションが20棟出ました。退去してもらうには引っ越し先を用意する必要がありますが、多くの賃貸物件が被災する中、簡単には見つかりません。洗濯機のホースが外れたり、給排水管が破損したり、電気温水器が転倒したりして漏水被害も相次ぎました。地震で家に住めなくなった人から「住まいを探して」という声も殺到し、10店舗中8店を2カ月以上閉め、残る2店にスタッフを集約して対応しました。

kosugi.jpg<4年前には全社員で東日本大震災の被災地を視察した>

支援も兼ねて3班に分かれて行きました。避難所になったホテルに泊まって、語り部の話をみんなボロボロ涙を流しながら聞き、小学校に行ってお参りしました。それがまさに明日は我が身になったわけです。その経験もあって、ほんとに社員たちは今回頑張ってくれたと思います。

 

<経営理念として信頼、文化、幸福とともに感動という言葉を掲げる>

理屈だけでは人は動きません。やはり感動することで動くんです。今はデジタル全盛時代で、デジタル的な手法を駆使しなければビジネスは成り立ちません。ただ、そういう時代だからこそ、一人一人の気持ちにきめ細かく応えるアナログ的な対応が大事で、それが感動を呼ぶし、信頼、文化、幸福にもつながると思います。

 

<九州学院在学中はケンカで鳴らした>

謹慎を3回、無期停学を1回受けました。最後には卒業延期までされています。田中信生先生というボクシング部の有名な先生に「そんなにケンカが好きならボクシングをやらんか」と言われ、2年生の時に入部しました。田中先生は無口な方で、態度で武士道精神のようなものを教えてもらった気がします。

 

<気づいたことや感じたことをその場で手帳に書き留めている>

それが30冊になっています。5年に1度ぐらいその手帳を全部持って旅館にこもり、昔お世話になった人やエピソードを思い出しながら、今後の目標や進む道を考えます。皆さんから助けられたからここまでこられたのだと、手帳を見れば思い出すでしょ。それなら自分は熊本のために、人のためにどういうことができるのかと思いを巡らすわけです。

 

<夢は膨らませていくものと訴えている>

夢は変わっていきます。私も最初はお金持ちになりたいという単純な夢でした。それが段々と家庭の夢になり、熊本を代表する企業になりたいという夢になり、そして九州に変わっていき......と、夢を段々と膨らませてきました。まずは小さな夢でいいんです。それに向かって一つ一つ目の前のことをやり遂げていく。それが大事だと思います。

【福岡賢正】