おしらせ
NHK番組「らんまん」の牧野富太郎博士と九学の上妻先生の絆
[2023-08-04]
九州学院の創立当時から1959年まで約半世紀にわたり教壇に立たれた元博物学教師上妻博之[まさゆき]先生(1879~1967年)は、全国でも屈指の長い活動歴を誇る「熊本記念植物採集会」を発足させるなど熊本の植物研究に貢献された九学の名物先生でした。
その上妻先生が、NHKの連続テレビ小説「らんまん」のモデルとなっている「植物学の父」牧野富太郎博士(1862~1957年)と師弟関係であり、深い親交があったということで、先般、くまもと文学・歴史館(中央区)で「上妻博之と牧野富太郎」展(トピック展示)が開催されまし た。
上妻先生が師と仰いだ牧野博士が来熊のたびに採集に同行して指導を受け、熊本滞在中は上妻先生のご自宅が定宿だったことからもお二人の濃密な間柄だったことが伺えます。
同展では牧野博士が盟友の上妻先生に送った貴重なはがきや手紙の他に当時の珍しい写真などが展示されました。
上妻先生は「熊本県内採収植物目録(増訂)」「天草郡植物採集便覧」などを発表していますが、これは『牧野日本植物圖鑑[ずかん]』をはじめ多く著作を発表して日本の植物の研究に大きな功績を遺した師の指導の賜物であり、全国でも高い評価を受けている熊本の植物学は二人の子弟関係の中で培われたものであると言っても決して過言ではないでしょう。
上妻博之先生 牧野富太郎博士